双極性障害
「すごく元気で何でもできそうな時期があると思えば、何もやる気が起きない時期もある」──こうした気分の極端な波が繰り返されるのが双極性障害(双極症)の特徴です。以前は「躁うつ病」とも呼ばれていたこの病気は、気分が高揚しすぎる「躁状態」と、気分が著しく落ち込む「うつ状態」を行ったり来たりします。元気な時の自分と、落ち込んでいる時の自分のギャップに苦しみ、「自分はおかしいのでは」と悩まれている方も少なくありません。
当院では、患者さん一人ひとりの生活リズムや背景を丁寧に把握し、再発予防を重視した診療を行っています。
双極性障害の症状について
双極性障害には主に2つのタイプがあります。
双極I型障害(双極症I型)
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躁状態が明らかで、時に入院が必要となるほどの激しい高揚
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ハイテンション・多弁・多動・浪費・怒りっぽさ・睡眠欲求の減少など
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その後、強い抑うつ状態に入る
双極II型障害(双極症II型)
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躁状態が軽く、周囲には「少し元気な時期」に見える程度
- 上述したI型よりは一般的には躁状態の持続期間が短い
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一方で、うつ状態が長く・重く続くことが多い
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うつ病と間違われやすい
躁状態では、本人は「絶好調」と感じていても、周囲から見ると異常に活動的で、リスクのある行動を取ることがあります。
うつ状態では、極端な無気力や自己否定に苦しみ、自殺念慮が強くなる場合もあります。
このような気分の波は、本人の意志ではコントロールできず、誤診や見逃されやすい病気です。
双極性障害の原因について
はっきりとした原因は解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
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遺伝的な体質(家族に同様の症状を持つ人がいるケース)
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神経伝達物質のアンバランス(セロトニン・ドーパミンなど)
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ストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れが発症・再発の引き金に
本人の責任ではなく、「脳の病気」として治療が必要な状態です。
双極性障害の治療法について
双極性障害は、**気分の波を安定させること(再発を防ぐこと)**が治療の柱となります。
1. 薬物療法
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主に気分安定薬を中心に使用(例:リチウム、バルプロ酸ナトリウム、ラモトリギンなど)
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必要に応じて抗精神病薬などを併用することもあります
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症状に応じた薬の調整が重要で、自己判断で中断しないことが大切です
- 気分安定薬の催奇形については2026年4月15日のブログをご参照ください。
2. 生活リズムの安定
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睡眠・食事・活動量のバランスを整えることが再発予防に効果的
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躁の前兆(軽い高揚感や焦り)やうつの兆候を自覚することがポイントです
3. 認知行動療法・心理教育
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自分の症状や波を知ること(心理教育)により、早期対応が可能に
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感情や行動のパターンに気づき、セルフケア力を高めます
4. ご家族への説明・支援
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周囲の理解とサポートが、本人の安定にとって非常に大切です
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必要があればご家族にも病気についての情報提供を行います
双極性障害についてのよくある質問
Q1. うつ病と何が違うのですか?
A1. 双極性障害では「うつ状態」と「躁状態(または軽躁状態)」の両方を経験します。うつ病との違いを見極めることが、適切な治療につながります。
Q2. 一度よくなっても再発しますか?
A2. はい、再発を繰り返しやすい病気です。そのため、継続的な治療と生活リズムの調整がとても大切です。
Q3. 薬をずっと飲み続けないといけませんか?
A3. 状況によりますが、多くの場合は再発予防のために長期的な服薬が推奨されます。主治医と相談しながら調整していきましょう。
院長より
双極性障害は、気分が良すぎる時には病気である自覚が持てず、落ち込みの時には自分を責めてしまう──そうした波のあるこころの状態に、長年悩んでいる方が多くいます。
私たち「あすを生きるメンタルクリニック吉祥寺」では、気分の波とじっくり付き合いながら、安定した日常を取り戻すサポートを行っています。
仕事や家庭での役割を果たしながら治療を続けていけるよう、働く方の生活スタイルに合った治療提案を心がけています。
「また調子が悪くなったらどうしよう」
そんな不安を一人で抱えず、ぜひご相談ください。
