【体験レポート】manabyのリワーク支援についてお話を伺いました|吉祥寺の精神科 あすを生きるメンタルクリニック
「【体験レポート】manabyのeラーニング「マナe」を体験してみました」という内容を前々回と前回でお話しました。今回は同じ事業所様のリワーク支援についてお話します。manaby吉祥寺事業所様に最初にご挨拶に伺った2026年4月9日のブログも合わせてお読みください。
はじめに
「復職したい気持ちはあるけれど、また体調を崩してしまわないか不安」
「休職している間、何を準備すればよいのか分からない」
「以前と同じ働き方に戻って大丈夫なのだろうか」
休職中、このような悩みを抱える方は少なくありません。
先日、以前ご紹介させて頂いた就労移行支援事業所であるmanaby吉祥寺事業所様を訪問し、新たに開始されたリワーク支援についてお話を伺いました。
今回は、リワークとはどのような支援なのか、manaby吉祥寺事業所ならではの特徴も含めてご紹介します。
リワークとは?
リワークとは、うつ病や適応障害などの精神的不調により休職している方が、復職に向けた準備を行うための支援です。
体調が回復してくると、
「早く職場に戻らなければ」
「もう大丈夫かもしれない」
と感じることもあります。
一方で、復職後に再び体調を崩してしまう背景には、
・生活リズムの乱れ
・ストレス対処方法の不足
・働き方の偏り
・自分の不調のサインへの気づきにくさ
・必要な配慮を整理できていないこと
など、さまざまな要因が関係していることがあります。
そのためリワークでは、「職場に戻ること」だけではなく、「再び無理をしすぎず、働き続けられる状態を整えること」を目標に支援が行われます。
就労移行支援とリワークの違い
manaby吉祥寺事業所は就労移行支援ですが、リワーク支援も提供しています。
一般的に、両者には以下のような違いがあります。
【就労移行支援】
・就職を目指している方
・働いた経験がない方や離職中の方
・就職に向けた準備や職業訓練を行う
【リワーク】
・現在休職中の方
・元の職場への復職を目指している方
・復職後も安定して働き続けるための準備を行う
詳しい違いについては、以前ご紹介した「リワーク・就労移行支援・A型・B型、何が違うの?自分に合うのはどれ?」という記事も参考にしていただければと思います。
どのような方が利用を検討するの?
「通勤するだけで疲れてしまう」
「以前と同じ働き方に戻れるか不安」
「できれば在宅勤務も含めて今後の働き方を考えたい」
「ITスキルも身につけながら復職準備を進めたい」
manaby吉祥寺事業所では、在宅訓練やeラーニング「マナe」を活用しながら、自身の状態に合わせて復職準備を進めることができます。
従来の「職場に戻ること」を前提とした支援だけではなく、テレワークを含めた多様な働き方も視野に入れながら、自分に合った働き方を考えたい方にとって、一つの選択肢になるかもしれません。
日々の記録を積み重ねながら復職準備を進める
リワークでは、活動記録表や生活記録を活用しながら、日々の状態を振り返っていきます。
記録する内容としては、
・起床時間・就寝時間
・日中の活動内容
・体調や疲労感の変化
・気分の変化
・その日の出来事
などがあります。
さらに、
・日次タスク管理シート
・週次タスク管理シート
も活用し、PDCAサイクル理論「計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)」に基づいた
予定を立てる → 実行する → 振り返る → 改善する
という仕事にも通じるサイクルを繰り返していきます。
印象的だったのは、これらの記録が単なる体調管理ではないという点です。
積み重ねた記録は、
「復職したい」
という気持ちだけではなく、
「継続して活動できている」
という客観的な根拠にもなります。
実際に企業へ提出する資料として活用されることもあるそうです。
自己理解を深め、自分に合った働き方を考える
manaby吉祥寺事業所では、独自の自己理解ツールである「マナビーノート」を活用しています。
具体的には、
・どのような時に調子を崩しやすいか
・どのような環境で力を発揮しやすいか
・どのような配慮があると働きやすいか
などを整理しながら、自分自身への理解を深めていきます。
支援員と一緒に整理しながら、「自分自身の取扱説明書」を作っていくようなイメージだと感じました。
また、川崎市が提供しているセルフケアシート「K-STEP」も活用されていました。
さらに、「ジョブクラフティング」という考え方も取り入れられています。
これは、
・どの仕事が得意だったか
・どの業務が負担だったか
・どのような工夫をしていたか
を振り返り、自分らしい働き方を考えるアプローチです。
「なぜ休職したのか」だけではなく、
「どうすれば自分らしく働き続けられるのか」
という視点を大切にしていることが印象的でした。
特徴
今回お話を伺う中で印象的だったのは、復職という一つのゴールに向かって画一的に進めるのではなく、一人ひとりの状況や希望する働き方に合わせて準備を進められる点でした。
manaby吉祥寺事業所では利用期間は3か月コース、6か月コースが設けられていますが、復職までのペースに応じて柔軟に調整することも可能とのことです。
また、manabyは就労移行支援事業所として、eラーニング「マナe」を活用した在宅訓練にも力を入れています。そのため、通所だけでなく在宅という選択肢も含めながら復職準備を進められることは、manabyならではの特徴の一つと感じました。
実際に、通勤への不安が強い方や、在宅勤務・ハイブリッド勤務を見据えている方にとっては、無理のない形で働く感覚を取り戻しながら準備を進めやすい環境かもしれません。
以前と同じ働き方に戻ることだけを目指すのではなく、現在の状態やこれからの働き方も踏まえながら、自分に合った復職の形を一緒に考えていける点が印象的でした。
感想
今回お話を伺い、リワークとは「職場に戻るための訓練」というよりも、「これからも働き続けるための準備期間」なのだと感じました。
休職中は、「早く復職しなければ」という焦りを感じることもあるかもしれません。
しかし、無理に前へ進むことだけが解決ではなく、自分自身の状態や働き方を整理する時間も同じくらい大切なのではないでしょうか。
manaby吉祥寺事業所のリワークでは、生活リズムの調整だけでなく、自己理解や再発予防、働き方の整理など、復職後を見据えた支援が行われていました。
「以前と同じように働けるだろうか」
「また体調を崩してしまわないだろうか」
そんな不安を抱えている方にとって、自分のペースで立ち止まり、これからの働き方を考える選択肢の一つになるのではないかと思います。
復職について悩んでいる方にとって、このような支援があることを知るきっかけになれば幸いです。
星/精神保健福祉士
関連項目
【施設紹介】manaby吉祥寺事業所(2026年4月9日のブログ)
